全国ツアーの夢、無残…通り魔犠牲の音楽プロデューサー
「明日からのツアーは本当に楽しみだ」。音楽プロデューサーは、自ら企画した記念ライブの大阪の
ステージを見ることなく、凶刃に倒れた。
殺害された南野信吾さんはロックバンドで活動後、東京のイベント会社「デジターボ」に入社。同社
の音楽レーベル「GEORIDE(ジオライド)」でプロデュースを担当し、アニメ・ゲーム音楽で活
躍するアーティストを輩出した経歴も持つ。
勤務先によると、9日からレーベル発足5周年の全国ツアーが始まり、南野さんも同行。自らかかわ
った多数のアーティストが出演することから「こんなに豪華なツアー、もう無いな。本当に楽しみ」と
ツイッターに書き込み、期待に胸を躍らせていた。
前日に名古屋でのライブを終え、同僚と車で大阪入り。この日は大阪・ミナミのライブ会場に機材を
搬入し、裏方としてステージを見守るはずだった。
一緒に来阪した同僚男性(28)は、機材が運び込まれた後も南野さんの姿が見えないため、携帯電
話を鳴らしたが、呼び出し音が響くだけ。事件のニュースを聞き「巻き込まれていないように」と、祈
り続けたという。同僚男性は「南野さんは恩人。悔しい。ムードメーカーで、落ち込んでいるといつも
励ましてくれた」と涙ぐんだ。
いい音楽は必ず人に伝わり、世界を変えられる−。音楽に情熱を傾けていた南野さんの信念だったと
いう。同僚男性は「音楽の力を信じている人だった」と振り返った。
「信じられない、許せない」。東京都東久留米市の南野さんの自宅の様子を見に来た親族の女性(41)
は11日、声を震わせながら心境を語った。
女性によると、南野さんは妻と6歳、5歳、2歳の3人の娘と暮らしていた。子育てに積極的で子煩悩
だった南野さんは、今週予定されている保育園の参観日を楽しみにしていたという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120611-00000008-san-soci