きのうの、サッカーW杯ブラジル大会出場を懸けたアジア最終予選、日本代表はオマーンを寄せつけなかった。それにしても不思議で仕方がない。優れた選手は、視野に入っていないはずの方向に軽々とパスを出す。
▼まるで、ピッチを俯瞰(ふかん)する「鳥の眼」で見ているかのようだ。サッカー評論家の柱谷幸一さんによると、実は彼らは、目でとらえた「横からの情報」を「上からの情報」に変換する「上から目線」の持ち主なんだという。
▼サッカーに限らず、およそ世の中で指導的立場にいる人には、欠かせない能力に違いない。関西広域連合、一昔前の暴走族のような名前の組織に名を連ねる、首長のみなさんはどうだろう。
福井県にある関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働について、先月末、これまでの強硬な反対論を取り下げた。
▼どうやら計画停電などの最悪の事態は避けられそうだ。翻意の理由は今ひとつわからない。再稼働なしなら、15%の電力不足になるとの試算が出ていた。
市民生活や経済の混乱に対して、責任問題が生じるのを恐れたのかもしれない。いずれにしても、柱谷さんの言う「上から目線」で、エネルギー問題に取り組んでいたとはとても思えない。
▼橋下徹大阪市長は、再稼働について「事実上の容認」と述べた。これまで電力を供給してくれた福井県に失礼だろう、と読売新聞の社説が指摘している。それ以上に福井商工会議所の川田達男会頭を怒らせたのが、橋下市長らが主張している「夏に限定した運転」だ。
▼「関西は上から目線で、『動かしていいよ』と言っている。そんなこと言われる筋合いはない」。こちらはもちろん、世間一般で使われている意味である。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120604/plc12060403050002-n1.htm 依頼@213