秋田県鹿角市八幡平の「秋田八幡平クマ牧場」でヒグマに襲われて女性従業員2人が死亡した事故で、
佐竹敬久・秋田県知事は14日の記者会見で、「(県が)餌やりの補助などで職員を雇用する」などと述べ、
近く臨時職員を雇用し、同牧場に残る29頭のクマへの給餌や安全管理などを担当させることを明らかにした。
同牧場では事故以前、死亡した女性従業員2人と、事故後に退職した男性従業員の計3人がクマへの給餌や餌場の清掃などを行っていた。
現在、施設管理をしているのは、経営者の長崎貞之進氏(68)だけとなった。そのため、県生活衛生課と
県動物管理センターの職員約3人が週3回、動物保護や安全管理の徹底などを目的に同牧場を訪れ、給餌や飼育状況の確認などを行っている。
だが、秋田市と同牧場との往復には約6時間かかることなどから担当職員の負担が大きい上、人員不足で通常業務にも支障が出ているという。
佐竹知事は会見で、「餌やりや安全管理で、県の職員が全てかかるのは難しい」と、専属の職員を雇用する理由を述べた。
餌の確保については、大館市立総合病院など残飯提供を受けている施設からの支援が継続する見通し。
佐竹知事は会見で、「餌の物理的な量は確保できた」としたが、「足りない部分は予算だとか(もかかる)。
県の考え方をまとめて議会と協議したい」と述べ、餌の確保に予算措置を講じる可能性も示した。
雇用期間や雇用人数などの詳細は未定だが、県生活環境部の佐々木弘次長は「緊急避難的に県職員が支援してきたが、
もう限界。クマを餓死させるわけにもいかず、可能な限り早期に詳細を決めたい」と話した。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120515-OYT1T00072.htm