■今の睡眠薬は安全性高い
かつて用いられていたタイプは大量に飲むと死亡する例もあったが、今の睡眠薬は安全性が高い。
ただ課題は残っており、
(1)筋肉に力が入りにくくなりふらつく (2)服用後に自分の行動を忘れてしまう
(3)服用をやめると不眠の症状が以前よりひどくなる (4)効果が翌朝まで持ち越す
―といった副作用が起こることも。長期間服用し続けると効果が落ちるケースもあった。
睡眠の質でも問題があった。ストレスケア日比谷クリニック(東京・千代田)の酒井和夫院長は
「服用しても深い睡眠を増やせない薬が多かった」と指摘する。睡眠は体を休める「レム睡眠」と、
脳も含めて休む「ノンレム睡眠」に分かれるが、既存薬では脳を休める効果が不十分だったという。
4月にエーザイが発売した「ルネスタ(一般名エスゾピクロン)」は非ベンゾジアゼピン系だが、
こうした課題が改善されている。
米国では投与期間に関する制限がない初めての睡眠薬として2005年に承認された。
日本で実施した臨床試験(治験)でも、なかなか寝付けない、夜中に目が覚めるという症状の
改善効果が確かめられた。薬が効きにくくなったり、翌朝以降に効果が残ったりする副作用が少なく、
長期間服用しても効果が落ちないという。「最も深いノンレム睡眠の時間が増えるなど、
睡眠の質も改善できる」(酒井院長)
■最適な睡眠薬のタイプは人によって異なる
期待の高い新薬だが、「実際に使う側からみれば、理想の薬からはまだ距離がある」という専門家の声もある。
最適な睡眠薬のタイプは年齢に応じて変わっていく。例えば、昼間も効果が続く長時間作用型はサラリーマンには
使いにくいが、専業主婦や退職後の高齢者などに対しては夜中に目覚めるのを確実に防ぐために使うケースも多い。
朝まで確実に熟睡したい人は、持続効果が約5時間のルネスタとは別の薬も選択肢になる。また、高齢者や
妊婦などは慎重に投与することとなっている。
睡眠薬は専門医など詳しい医師と相談して服用し、自分に合った治療を受けるのが大切。薬を減らしたり
やめたりする時も自分で判断せず医師の指導に従おう。
全文はうぇbで
http://www.nikkei.com/life/health/article/g=96958A96889DE6E3E0EAE4EAE6E2E3E3E2E7E0E2E3E0979EE382E2E3;df=2