マンションなどに設置されている機械式の立体駐車場で、体を挟まれるなどして2007年以降に少なくとも計10人が死亡、
26人が重軽傷を負っていたことが2日、共同通信のまとめで分かった。4月には大阪府で幼い子どもが犠牲になる事故もあり、
国土交通省は業界団体「立体駐車場工業会」(東京)に原因究明と再発防止を要請。消費者庁も調査に乗り出した。
同工業会によると、機械式立体駐車場は全国に約51万8千基あるが、設置基準や安全装置の有無について国の規定はない。
不特定多数の人が利用するデパートなどでは係員を配置し、安全確認した上で機械を操作。中に人がいれば停止する装置が
一部についている。一方、マンションの場合は住民自身が操作することが多く、通常は操作盤のボタンを押した間だけ動く機器を、
誤って使用する例もみられるという。
国交省などによると、08年8月に名古屋市のマンションで住民男性が車載台に挟まれて死亡。神奈川県横須賀市で10年4月、
駐車場内に人がいたのに操作員が車載台を回転させ、頭を挟まれた利用者が死亡した。11年5月には福岡市で1歳の女児が
車載台に頭を挟まれ死亡。今年4月には大阪府茨木市のマンションで、3歳男児が上昇中の車載台と隣接する床面との間に
挟まれ死亡した。
茨木市のケースは特殊な器具でボタン押したまま固定していた可能性があるという。死亡した10人中6人は設置や保守をして
いた作業員だった。
消費者庁や国民生活センターによると、10年2月には関東地方のマンション駐車場で、2歳の子どもが車載台を動かすチェーン
に挟まれ指を切断した事故もあった。
立体駐車場工業会は「安全確認が十分でなかったり、誤った使い方をしたりすると事故につながる可能性がある」として注意を
呼び掛けている。
同工業会や国交省、消費者庁、国民生活センターに、把握している事故や内容を取材、集計した。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201205020124.html http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp20120502012401.jpg 依頼@137