米歌手マドンナのCDボックス「ザ・コンプリート・スタジオ・アルバムズ」がヒットしている。
アルバム11枚組みで、1セット3380円(発売元の通販)。
1枚あたりでは約300円という、スーパースターらしからぬ大安売り。しかも、まとめ売りするというのは極めて異例だ。 (藤浪繁雄)
東京・渋谷のタワーレコード渋谷店。マドンナの最新作「MDNA」(ユニバーサル)と肩を並べ、超廉価ボックスが売り場の一角を占めていた。
「三十代後半から四十代後半の方々が多く購入されていますね」とスタッフの白神篤史さん。
ボックスは最新作が出た翌日、三月二十七日の発売。約三万セットを完売したため、今週末さらに約二万を出荷する。
輸入盤ボックスとしては初めてオリコンのアルバムチャート(9日付)でトップ10入りし、第九位になった。
「正直、ギリギリの価格設定でした」と明かすのは、発売元ワーナーミュージック・ジャパンの住井敬太郎さん。全十一枚で計百二十七曲収録。
一曲あたり二十五円ぐらいになり、百五十〜二百五十円のネット配信より安い。
ボックスは、マドンナがユニバーサルに移籍するのに合わせ、デビュー以来契約していた英国ワーナーが世界同一企画として仕掛けた。
一九八三年のデビュー盤から二〇〇八年の「ハード・キャンディー」まで、ドイツの工場で新たに生産。
十一枚はそれぞれ紙ジャケットに収められているが、CDを保護する袋や、解説、歌詞カードなどはない。
徹底的なコスト削減が読み取れるが、円高にも支えられた。
五年ほど前は一ユーロ=一五〇〜一六〇円台だったが、最近は一〇五〜一一〇円程度。
配信に押され、欧米でもCDの値崩れが続いていたこともある。
住井さんは「輸入盤ブームがあった一九九〇年代前半にはCD一枚二千円台前半だったが、いまは千円以下の商品が増えた」と話す。
輸入盤ボックスなどCDのまとめ売りは、ここ十年ほど目立っている。
EMIミュージック・ジャパンでは、カラヤン指揮の八十八枚組みを二〇〇八年に二万五千円程度で約千セット発売。
さらに昨年、同じ商品を一万円前後に安くして出すと、また売れたという。
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