シリア 提案受け入れ後も砲撃
市民への弾圧が続くシリアでは、アサド政権が国連などの仲介を受け一時的な停戦などの提案を受け入れたあとも中部ホムスなどを砲撃しており、提案が実行に移されるのか懐疑的な声が上がっています。
シリア情勢を巡って、国連などの特使として仲介に当たっているアナン前事務総長は27日、人道支援を可能にするための一日2時間の停戦や、重火器の使用の禁止など6項目の提案をアサド政権が受け入れたことを明らかにしました。
シリア政府は、提案の受け入れについて正式な発表を行っていませんが、国営テレビは27日、1か月にわたる激しい砲撃の末に政権側が制圧した中部ホムスのババ・アムル地区をアサド大統領が訪れ、兵士を慰労する姿を放送しました。
しかし、ホムスの別の地区では、この日も激しい砲撃が行われ、シリアの人権団体によりますと、28日までの2日間で、シリア全土で80人以上が犠牲になったほか、難民が避難しているレバノンとの国境付近でも攻撃が行われています。
活動家の1人は、NHKの取材に対して「アサド大統領は、政権の支配力が揺らいでいないことをアピールしており、弾圧をやめるつもりはない」と話し、提案の実行に懐疑的な見方を示しています。
アサド政権は、これまでも同様の提案を受け入れながら弾圧をやめなかっただけに、アサド政権と関係が深いロシアや中国が提案の実行を強く働きかけることができるかどうかが焦点となっています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120328/k10014035321000.html