2012年3月25日 14時33分 更新:3月25日 15時2分
ヤフードーム(左)はヒルトン福岡シーホーク(右の高層ホテル)やホークスタウンモール(向こう側)と一体となった複合施設内にある=本社ヘリから
http://mainichi.jp/select/today/news/images/20120325k0000e050148000p_size5.jpg ソフトバンクが24日、福岡ヤフージャパンドーム(福岡市)の買い取りに合意したと発表した。
傘下のプロ野球・福岡ソフトバンクホークスの本拠地として、公式戦だけで昨年は約223万人が入場した一大集客施設。
今後も安定的な収益が見込めることから、870億円の買収額は「比較的安い買い物」とみる関係者は多い。
1993年開業のドームは、複合商業施設「ホークスタウン」内にあり、ホテルの「ヒルトン福岡シーホーク」や、商業施設「ホークスタウンモール」も開発された。
この「3点セット」をシンガポール政府系投資公社GICリアルエステートが07年、米投資会社から買収した。
ソフトバンクは05年以降、年約50億円のドーム使用料を払っており、今回の買収はドームを今後18年間保有すれば元が取れる計算だ。
球団を長期保有する限り、使用料を払い続けるよりもメリットがあると考えた。
GIC側にもメリットがあった模様だ。3施設を合わせた当時の取得額は約1000億円で、ドームが半分の約500億円とされる。
関係者は「今回、ドームを870億円で売ったとしても利益が出ると考えたのだろう」と解説する。
別の関係者は「落ち着いたとはいえ円高基調。為替変動を考えると、GICは3施設取得額に近い額をドーム売却だけで回収できた」と話す。
今後どうなるのか。ドーム以外の2施設はGICが引き続き保有する。
ソフトバンク側も「ドームの保有しか考えていない」という。3施設はそれぞれ運営会社が異なる。
ホークスタウンの来場者はプロ野球観戦者が多い。地下鉄の最寄り駅から徒歩15分、都心部からはバスで15〜20分かかる不便さもある。
さらに集客するためには、ドームをはじめとする3施設の連携した取り組み強化が課題となる。【小原擁、中山裕司】
ttp://mainichi.jp/select/today/news/20120325k0000e050145000c.html?inb=fa