先祖代々の「御神木」を松くい虫の被害木として、許可無しに伐採され、精神的苦痛を味わったとして、
木を所有する盛岡市の男性と母親が、花巻市と市森林組合に慰謝料など約880万円を求めた訴訟の判決が23日、
盛岡地裁であり、小倉真樹裁判官は国家賠償法に基づき、花巻市が男性に12万円を支払うよう命じた。
判決理由で小倉裁判官は、花巻市が得た伐採承諾書は、男性と同姓同名の別人のもので、
男性からは承諾を得ていないのは過失だと指摘。森林の管理程度などから12万円の賠償が相当とした。
被告側は「手続きに瑕疵(かし)があったとしても実質的に違法性がない」などと主張したが、
判決は「法律上、公益上伐採が必要なことは当然だが、承諾がない場合は特段の事情がない限り違法」と退けた。
同法に基づく請求は事業主体の市に対してのみ許されるとして、森林組合への請求は「理由がない」とした。
判決によると、花巻市は2004年から08年1月までの間、森林組合に委託し、花巻市東和町の山林の立ち木53本を伐採した。
花巻市は「手続きに瑕疵があったことは真摯(しんし)に受け止める。それ以外は判決文をよく読み検討する」としている。
(岩手日報2012/03/24)
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