ソニーは、4期連続の赤字となる2200億円の最終赤字。パナソニックは過去最高となる7800億円の最終赤字。
そして、シャープは当初の黒字見通しから一転して2900億円の最終赤字を見込んでいる。
各社ともに薄型テレビ事業の不振が大きくのしかかり、2011年度は薄型テレビ事業の構造改革に追われた1年。
つまり、新社長の評価はテレビ事業の回復が、ひとつのバロメータになるのは間違いない。
そして、会見のなかで3人が共通して「スピード」という言葉を使っていた点も見逃せない。
ソニーの平井次期社長は、「施策を実行する上で、競争相手は猶予を与えてくれない。もはや猶予はなく、スピード感をもち、覚悟をもって取り組んでいく」と発言。
パナソニックの津賀次期社長は、創業者以外では最年少の55歳で社長に就任するが、「スピード感がなければ、55歳でも意味がない。スピード感がある経営をしていきたい」とコメント。
シャープの奥田次期社長は、「グローバルビジネスにはスピードが重要であり、その競争に耐えうる体制づくりを行う」と語る。
薄型テレビ事業の不振では、スピード感を持った構造改革に遅れたという反省が各社にはある。その反省が共通の言葉として、3人の次期社長の口から発せられたのだろう。
もうひとつの共通項は、50代の新社長が並んだという点だ。
平井次期社長は51歳、津賀次期社長は55歳。ソニーのストリンガー会長の70歳、パナソニックの大坪社長の66歳からはそれぞれ大きく若返っている。シャープは社長の年齢が上昇したが、それでも奥田次期社長は58歳。
電機大手では、富士通の山本正己社長とNECの遠藤信博社長が同じく58歳。日立製作所の中西宏明社長が66歳、東芝の佐々木則夫社長が62歳、
三菱電機の山西健一郎社長が61歳であることに比べると、ソニー、パナソニックの次期社長は、電機大手のなかでは若いことがわかる。
一方で、ソニーの平井次期社長やシャープの奥田次期社長の2人は海外経験が長いのに対して、海外経験者を続けて社長に登用してきたパナソニックは、海外経験がない津賀次期社長を任命。
グローバルエクセレンスを目指すパナソニックにとって、どんな影響があるのかが注目されよう。
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