その事故は、2003年10月から2004年3月までフジテレビで放送された、『退屈貴族』の収録で起きました。
『退屈貴族』は、退屈な貴族に扮したココリコと週替わりのゲストに刺激的な映像を見せ、
表情を変えたものは画面から消えるという番組でした。
そういう番組ですから、制作側はより刺激の強いシーンをこれでもかと用意するわけです。
その中で今回事故を隠したと指摘されているのは、「東洋のランボー」として全国放送された、
老人が燃えさかる炎の中を歩いたものです。
が、もちろん大丈夫どころではなく、火傷は足裏から太ももまでの広範囲に及んでおり歩くこともできず、
スタッフKは老人を背負ってタクシーに乗せ、自宅に送ったそうです。
スタッフたちは確実にそのひどい火傷の様子を見ていたにも関わらず、2万円の出演料を払っただけで、
火傷の処置は何もしなかったとか。
その後、フジテレビは事故対応を始めるわけですが、その中で3つ、問題点がありました。
ひとつは、老人の兄夫婦への状況説明の際、火渡りに至った出演依頼の詳細を明らかにしなかったこと。
兄夫婦は老人から持ちかけたと思いこんでおりそれに乗っかった形ですが、兄夫婦は老人にも落ち度があると考え、ことを大きくしなかったようです。
もうひとつは、警察への事情説明を、フジテレビに顧問として天下りしていた元警察幹部が行ったこと。
結果、業務上過失傷害の疑いもあったものの不問とされ、スタッフの事情聴取さえなかったそうです。
最大の問題は、事故を公表しなかったこと。
そのため、ロケに居合わせた制作担当者はもちろん、責任者もなんの処分も受けないどころか
現在では昇進までしているとか。周りも事故を知らなければ教訓にすることもできず、結局同じ事を繰り返すことになります。
気になる火傷をした老人のその後ですが、手術を繰り返したものの歩行ができるようにはならず、一度も自宅に帰らないまま、
07年9月、都内の病院で腎不全で死亡したそうです。腎機能の低下は、火傷によってもたらされたものだとのこと。
ご冥福をお祈りいたします。(下記事より抜粋)
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