琵琶湖西岸の松ノ木内湖(滋賀県高島市)で1日朝、東映京都撮影所(京都市)の撮影クルーが
水鳥が飛び立つシーンを撮るため爆竹を鳴らした問題で、約180羽いたコハクチョウが2日朝、
姿を消したことが「日本野鳥の会滋賀」の調査で分かった。
メンバーは「ねぐらが危険と判断し、逃避した可能性が高い」とみており、秋に戻ってくるか心配している。
コハクチョウを観察している同会員や地元住民団体によると、コハクチョウは通常、
日の出後に餌を求めて松ノ木内湖を飛び立つが、日の出前の2日午前6時20分ごろに
既に姿を消していた。天候にかかわらず、普段は周囲の田んぼで餌を
ついばむ姿が見られるが、確認できなかった。通常、一斉に姿を消すことはないという。
湖北野鳥センター(同県長浜市)の植田潤さん(42)は「琵琶湖北部の塩津湾一帯(長浜市)では
この日朝、普段の約6倍の300羽以上が確認された。爆竹で脅された湖西のコハクチョウが
逃げてきたと考えられる。秋の飛来も気掛かりだ」と話す。
撮影所の担当者は「夜明けの空を飛ぶタイミングが大事だったとはいえ、
結果的にコハクチョウが帰ってこなくなったとしたら大問題。
撮影シーンを映画で使うのは取りやめ、スタッフにも注意を喚起したい」と話した。
近く高島市新旭水鳥観察センターを訪れて謝罪するという。【塚原和俊、安部拓輝】
2012年3月2日 12時19分 更新:3月2日 16時18分
http://mainichi.jp/select/today/news/20120302k0000e040176000c.html