この世からいじめという行為がなくなってほしい−−。昨年10月に飛び降り自殺した大津市立中学2年の男子生徒(当時13歳)の両親は24日、いじめとの
因果関係の究明を訴訟に託した。訴状には昨夏以降の男子生徒への暴力や嫌がらせの内容が列挙され、大津市教委の幹部は毎日新聞の取材に「結果としていじめを見過ごしたことは否めない」と打ち明けた。【加藤明子、村山豪】
市教委は24日の提訴を受け、再任されたばかりの澤村憲次教育長が「訴状が届いておらず、コメントは差し控えたい」と文書で発表しただけで、報道陣の会見要請には応じなかった。
訴えでは、学校側がいじめの指摘を受けながら必要な対応を取らなかった点も俎(そ)上に載せられたが、校長や市教委幹部は取材に対し、担任らが男子
生徒や加害生徒にトラブルの内容を聞き取り、保護者にも対応方針を伝えていたと説明。「注意して見守ろうと
判断したが、いじめがそこまで深刻化していたとは想像していなかった。いじめられるような子ではないとの思い込みがあった」と釈明した。
この問題を巡っては昨年11月以降の市議会でも「原因調査が不十分」と指摘されたが、市教委は「いじめのない学校作りに努める」としつつも、追加調査は否定。いじめと自殺の因果関係は「判断できない」としている。
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20120225ddlk25040481000c.html