ドイツの「アウトバーン」。それは走行スピード無制限の区間を持つ、特異な高速道路だ。ドイツの
自動車産業もまた、他とは一線を画している。ドイツ高級車の3大ブランドであるBMW、メルセデス・ベンツ、
アウディ(VWグループ)は、優れた技術とスタイルを誇る自社製品への需要に応えるべく全力疾走中だ。
というのも、新興国の新富裕層から絶大な人気を集めているからだ。ドイツの国内市場も好調で、2011年は売上高を9%伸ばした。
だが他の欧州諸国の状況は対照的だ。2011年の自動車販売は、フランスで2%、イタリアで11%、
スペインでは18%落ち込んだ。ステータスにこだわる中国の消費者は、性能が優れているというだけでは
見向きもしない。そのため欧州の量産車、つまり大衆車は苦戦を強いられている。フランスの
プジョーシトロエン、イタリアのフィアット、それにオペル・ボクスホール(米国最大の自動車メーカー、
ゼネラル・モーターズ(GM)の欧州部門)は、欧州での売上高を軒並み低下させている。現状の打開を
図る各メーカーは、時に定価の2〜3割という厳しい値引きを余儀なくされている(図参照)。
英国の自動車市場も4%以上縮小した。だが、英国メーカーの大半は外資系で、輸出ブームに乗って生産量を6%伸ばしている。
去る2月15日、プジョーシトロエンの親会社であるPSAは、2011年の自動車製造事業において
9200万ユーロ(1億2100万ドル)の営業損失を計上したと発表した。フィアットの最高経営責任者
(CEO)のセルジオ・マルキオンネ氏も最近、欧州市場で2011年5億ユーロの損失を出していたことを
明らかにした。この記事を執筆している時点で、オペル・ボクスホールについてGMが多額の損失を
公表することが予想されている。そうなれば、オペル部門が1999年以来計上してきたと言われる
140億ドルの損失がさらに拡大することになる。
欧州連合(EU)における2011年の新車販売登録台数は1300万台で、最高を記録した2007年と比べて250万台減少した。
欧州のコンパクトカーは強烈な値引き合戦に
ゴルフ、ルーテシア、プント、C3、フォーカス、207など
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120221/227448/image002.jpg 続きはソース元で
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120221/227448/