1月の貿易収支は過去最大の赤字−中華圏の旧正月が輸出下押し(1)
2月20日(ブルームバーグ):1月の日本の貿易収支は4カ月連続で赤字となり、赤字額は比較可能な1979年以降で
最大を記録した。世界経済の減速や歴史的な円高に加え、中華圏が春節(旧正月)休暇に入ったことで輸出が下押しさ
れた。一方で、原子力発電を代替する火力発電向け液化天然ガス(LNG)や原油などの輸入増が続いたことも影響した。
財務省が20日発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比9.3%減の4兆5102億円と4カ月
連続で減少。輸入額は同9.8%増の5兆9852億円だった。差し引きした貿易収支(原数値)は1兆4750億円の赤字となり、
過去最大だった2009年1月(9679億円)を大幅に更新した。
ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査による予想中央値は、貿易収支が1兆4563億円の赤字、輸出額は前年
同月比9.4%減、輸入額は同9.6%増だった。
みずほ総合研究所の市川雄介エコノミストは統計発表前のリポートで、「中華圏の春節休暇の影響により部品輸出など
が弱含み、輸出金額は4カ月連続で前年割れとなる」とし、貿易収支は過去最大の赤字になると予想した。
一方で、第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストは「中華圏の旧正月のタイミングが昨年と異なることにより押
し下げられている」とし、輸出の基調を判断するには2月の結果とならして見る必要があると指摘している。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LZJ1RI0YHQ0X01.html