エルピーダ債の価格が急落、債務償還への懸念強まる 2012年02月15日
[東京15日ロイター]一般債市場で、エルピーダメモリ(6665.T: 株価, ニュース, レポート)国内普通社債(SB)の価格が急落した。
水準は第6回債(2012年11月償還)で、81円のオファーに対して、ビッドは71円。前日と比べて10円程度下落したという。
エルピーダが14日に短信を訂正し、継続企業の前提に関する注記を発表。その後、日本格付研究所(JCR)による格下げで、投資不適格等級への
転落の可能性が高まり、債務償還への懸念が一気に強まった。
売りを誘発したのは、エルピーダが14日、2012年3月期の第3・四半期決算短信と四半期報告書に「継続企業の前提に関して重要な不確実性」を
注記すると発表したこと。エルピーダは短信から、経産省や日本政策投資銀行、取引銀行との借り換えなどの協議が3月末の期限までに
「合意できる見通し」との記述を削除。「継続企業の前提に関する注記」の項目では、当初は「該当事項はなし」としていたが、今回は公的支援に伴う
融資返済期限が4月2日に迫っているなどの借り換え交渉に関する記述を追加した。
同社の資金繰りについて市場は、足元こそ手当てされる見通しにあるが、年末以降は不透明と受け止めている。「3月償還の第2回債の水準が
90円付近にあるのに対して、12月償還の第4回債並びに11月償還の第6回債は70─80円付近と、明らかに開きがある」(市場筋)という。
JCRは14日、エルピーダの長期優先債務格付けと債券格付けをBBBからBBB─に引き下げ、クレジット・モニター(ネガティブ)を継続すると発表。
格下げ理由について、JCRは、再建計画の策定や政府による継続的なサポートなどの内容がいまだ明らかになっていないこと、
業績が大きく低迷しており、当面厳しさが予想されることを挙げている。
http://s1.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20120215&t=2&i=570965250&w=450&fh=&fw=&ll=&pl=&r=CTYE81E0DHQ00 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE81K3PB20120215