天皇陛下手術へ 速やかなご回復祈りたい
天皇陛下が狭心症治療のため、18日に東大病院で心臓の冠動脈バイパス手術を受けられることになった。
陛下のご健康は国民の等しく願うところである。手術が成功し、一日も早く回復されるようお祈りしたい。
陛下は昨年3月の東日本大震災の後、皇后陛下とともに、宮城県などの被災地や東京都、
埼玉県の避難所を訪問され、被災者一人一人に声をかけて励まされた。
テレビでのビデオ放映を通じても、国民に苦難を分かち合うことを直接、呼びかけられた。
菅直人前民主党政権の指導力不足が指摘される中、陛下をはじめ皇族方の励ましが
復興を目指す被災者や国民にどれだけ勇気と力を与えたか計り知れない。
陛下は今回のバイパス手術から約3週間後の3月11日、東京で開かれる東日本大震災1年の追悼式に出席
される予定になっている。2度目の手術も克服し、国民の前に再び元気な姿をお見せになることを願ってやまない。
今月下旬から、陛下を支える皇族の減少を防ぐため、女性皇族が結婚しても皇室を離れないようにする
女性宮家創設に関する有識者からのヒアリングが始まる。
これに関し、野田佳彦首相が13日の衆院予算委員会で旧皇族の皇籍復帰も検討する意向を
初めて表明したことに注目したい。「男系で皇位継承されてきた伝統を重く受け止める」と強調し、
女性宮家問題を皇位継承問題と切り離す方針を再確認したのは当然だ。
旧皇族の皇籍復帰は陛下のご負担軽減だけでなく、将来の皇位の安定的な継承にもつながる。
野田首相の指導力に期待したい。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120214/imp12021403300001-n1.htm