ケニア:マータイさん祖国で進む森林破壊
植樹活動などに取り組み環境保護を訴えて04年にノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイ元副環境相が昨年9月死去した。
マータイさんが生前、気にかけていた問題の一つが祖国ケニアの森林だ。
その現状を知ろうと、森とともに生きてきたケニアの先住民「オギエク」の村を訪ねた。
オギエクは、ケニアに住む44民族のうち2番目に数が少ないとされる少数民族で現在、約2万人。
大半はケニア全土の約1.7%にあたる森林地帯で生活を続け、「森の民」として知られる。
マサイなどと並び、最も古くからリフトバレー州を拠点に暮らしてきた。
狩猟や植物採取に加えて主食の一つとして蜂蜜を採集し、栄養源としてきた。
「森の木々に木をくり抜いた箱を置き、あとは自然に委ねてきた」と長老のキブロナ・シグラインさん(63)は樹上を指さした。
樹上の箱にはハチが巣を作り、蜜がたまっている。
「週に2、3回、コップ1杯ほどの蜂蜜を食べる」と話すジェームス・レシンゴさん(45)は、「ナットウ」と呼ばれる葉にとげを持つ植物を湯がき、すりつぶしたものを蜂蜜と一緒に口に運んだ。
オギエクの居住地マウ森林は元来、約40万ヘクタールあったとされ、ケニア西部の主要12河川や五つの湖の水源となってきた。
しかし、過去20年間の無計画な伐採や、森林保護法を無視した開発などで、4分の1にあたる約10万ヘクタールが消失したとされる。
国連環境計画(UNEP)は、このまま破壊を放置すると、水源の枯渇や観光資産、農業への打撃などで3億ドル(約230億円)相当の損失になると警鐘を鳴らしている。
続きはソースで
http://mainichi.jp/select/world/news/20120209k0000m030128000c.html 洋服を着用、携帯電話を持つ人も多いが、森の自然に糧を得た生活も続いている=ケニア西部リフトバレー州マウ森林で、高尾具成撮影
http://mainichi.jp/select/world/news/images/20120209k0000m030129000p_size5.jpg