英語の先生は“失業者” 日比つなぐネット講座
2012/2/8 11:17
不況のフィリピンで、高学歴なのに仕事にあぶれた人を講師に雇った日本人向けの英語学習サイトがある。講師がいるフィリピンと、受講生がいる
日本はインターネット電話でつながる。現在の有料会員は約1200人。大手企業の法人契約も伸びているという。
主宰する在日バングラデシュ人のエムデ・モインさん(32)は「フィリピンの人にとっては講師を務めることが生活の糧になり、日本人は安い授業料
で質の高い英語を学べる。いわば知的なフェアトレード(適正価格による公正取引)といえる」と話している。
来日10年のモインさんが主宰するのはネット上の英語教室「ピクト」。2年前、不況の影響で失業率が高いフィリピンで、大学を出ても仕事にありつ
けない有能な若者が多いことに気付いた。
日本でいえば東大のようなトップレベルの大学卒業生は、みな英語が流ちょうだ。モインさんは立命館アジア太平洋大学(大分県別府市)の同級生
で、母国フィリピンに住むアイリン・ザバラさん(34)と「彼らなら日本人向けに英語を教えられるはず」と雇用を思い付いた。
講師、受講生とも自宅のパソコンに向かい、ネット電話のスカイプで言葉をやりとりする講座スタイル。フィリピン側には口コミやネット応募で採用さ
れた約50人の講師がいる。最難関といわれるフィリピン大の卒業生がずらりとそろう。
講座は会話レベルに応じた10コースがあり、授業料は一般の英会話教室より安く設定した。「講師陣の質が良く、予約も取りやすい。スピーキング
(英語で話すこと)のいい機会になっているので続けていきたい」と、受講生の会社員、斎藤寿一さん(43)=東京都。
講師の一人、マフェン・ラミレズさん(41)は女手一つで3人の子育て中。「給料が良く、助かっている。子どもにおいしい物を食べさせることができる
ようになった」と話している。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E2EAE2E2908DE2EAE2E0E0E2E3E09191E2E2E2E2;at=ALL