菊アナ弁護士(39)「1日に15時間勉強しました。もしまた落ちたらどうしようと思うと不安だった」

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ひと:菊間千乃さん TVアナウンサーから弁護士へ転身

黒のビジネススーツに、ヒマワリをかたどった弁護士バッジ。アナウンサーとして活躍していた07年にフジテレビを退社し、
10年秋、2度目の挑戦で新司法試験に合格した。今年1月から主に企業法務を扱う東京都内の事務所に入り、法曹としてデビューした。

 法科大学院に進んだのは「マスコミ人として付加価値を高めたい」と思ったからだ。睡眠3時間で授業と番組出演をこなす中で、教員の弁護士の話に引き込まれた。
「法知識は物事を解決する武器となる」。いつしか「弁護士になる」という決意が固まった。

 背水の陣を敷くため退職した。学習時間は1日15時間。繰り返し使った法律書、ノートは段ボール9箱分に及ぶ。新司法試験は院修了後の5年間で3回しか受けられない。
最初の受験に失敗し、「もし『三振』したら」と不安が募ったが、ひたすら机に向かって心を静めた。かつての職場だったテレビは、この間一切目にしなかった。

 両親の次に合格を報告した先輩アナは涙を流して喜んでくれた。事務所はフジテレビの顧問をしており、今後も「古巣」とのうれしい付き合いが続きそうだ。
 アナ時代、中継現場のビルから転落して入院したり、未成年者との飲酒問題で全番組を降りたりしたこともあった。「苦しい立場に陥った人を『大丈夫』の一言で
前向きに変えていける弁護士になりたい」。今、そんな理想像を描いている。【野口由紀】

 【略歴】きくま・ゆきの。東京都生まれ。大宮法科大学院(さいたま市)修了。「私が弁護士になるまで」(文芸春秋)を出版した。39歳。
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2012/02/06/20120206k0000m070109000c.html