「糖尿病、急に意識失った」 運転過失致死傷容疑で逮捕
水戸市で昨年8月、乗用車など4台が絡み8人が死傷した玉突き事故で、水戸署と県警交通指導課は31日、
同市黒磯町、土建業大図(おおず)正勝容疑者(68)を自動車運転過失致死傷の疑いで逮捕した。大図容疑者は約10年前に糖尿病と診断され、
自分でインスリンを注射していた。調べに対し、「運転中に急に意識を失った」と供述しており、県警は、医師の指示通りにインスリンを注射しなかったことで、
低血糖による意識障害に陥った可能性があるとみている。
発表によると、大図容疑者は昨年8月6日夜、乗用車を運転し、同市河和田の国道50号交差点で信号待ちの軽乗用車に追突。
軽乗用車に乗っていたひたちなか市相金町、配管工藤岡崇将さん(当時29歳)、同市南神敷台、配管工桜井直樹さん(同30歳)、
同市和田町、那珂湊漁協職員深作伸也さん(同30歳)の3人を死亡させたほか、軽乗用車がマイクロバスにぶつかるなどし男女計4人に軽傷を負わせた疑い。
大図容疑者も頭に重傷を負い、同月中旬まで入院した。大図容疑者は自宅から水戸市内の飲食店に向かう途中だったという。
糖尿病患者の意識障害による交通死亡事故を巡っては、広島地裁が2001年12月、大学生をトラックではねて死亡させたとして
業務上過失致死罪に問われた広島市内の女性に対し、「以前にも運転中に意識障害になったが、
薬剤投与の回数など医師の指導を守らなかった」として禁錮1年の判決を言い渡し確定。02年には道交法などが改正され、
公安委員会は低血糖症の患者に対し症状によっては運転免許証の交付、更新を拒否できると規定された。
県警によると、大図容疑者は糖尿病と診断される前に免許証を取得。10年には医師の診断書を提出して糖尿病を申告し、適正に更新したという。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news/20120201-OYT8T00071.htm