大人向け動物講座が盛況 東山動物園
東山動物園(名古屋市千種区東山元町)が先月、園内で飼育する動物の生態を大人に解説する講座を始めた。
2カ月間に計7回の講座はすべて予約で埋まり、受け付けを締め切る盛況ぶり。
これまで子連れが客層の中心だが、幅広い年代の開拓につながり、今後も続けたいという。
「松ぼっくりをかじった後、エビフライのような形の食べ残しの芯が落ちている」。
守山区の森にもすむ野生のニホンリスなど里山の身近な動物を見つける手掛かりを、担当者が説明した。
受講者は熱心に聞き入った。
講座は親子や子ども向けばかりだったが、今回初めて高校生以上に門を開いた。
テーマはアフリカゾウやメダカなどで、各回の定員20人はすぐに満員に。
40代から50代が目立ち、担当の獣医師黒辺雅実さん(53)は
「次々と質問がくる。1時間の予定が30分以上、延長する」と驚いた。
園の裏側を見られるのも好評。
死んだ動物の骨格標本を展示し、顎の骨や歯に実際に触ってもらった。
担当者は「草食のキリンやカバは餌をすりつぶし、肉食のライオンはかみ切る」と説明。
オオアリクイは歯がない、などと豆知識も伝えた。
受講者からは「大人の講座が始まるのを待っていた」
「回数を増やし、年間通じて開いてほしい」との感想が出た。
広報の瀬戸耕二さん(38)は
「冬に屋外を回るし、参加者は全然集まらないと思っていた。
多様な生態系や自然との共生への関心が高く、継続できるか検討したい」と話した。 (丸田稔之)
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20120202/CK2012020202000104.html