変わる中東の勢力図、「米国後」を狙う中露の思惑
http://s1.reutersmedia.net/resources/r/?m=02&d=20120202&t=2&i=565726319&w=450&fh=&fw=&ll=&pl=&r=CTYE8110KBY00.jpg [ロンドン 31日 ロイター] 中東地域をめぐる「パワーポリティックス」の構図が変わりつつある。昨年末、米軍がイラクからの撤退を完了。
米国と欧州諸国が大きな存在感を示していた時代が終焉(しゅうえん)を迎え、ロシアや中国など新興経済国の台頭が目覚ましい。
専門家らは現在の状況について、資源や領土、影響力をめぐって各国が争っていた19―20世紀をほうふつさせると指摘する。
米海軍大学で中東学を教えるハヤット・アルビ氏は「中東はいつだって大国による勢力争いゲームの舞台となってきた。要するに、今後はプレーヤーの数が増えるということ。
帝国主義時代の宗主国のように、新興国は中東で機会と利益を見いだすだろう」と語る。
<よみがえる帝国主義>
1991年の湾岸戦争や2003年のイラク戦争、カダフィ政権を崩壊に追い込んだ昨年のリビア軍事介入では、ロシアと中国は積極的に関わることはしなかった。
しかし、現在は中東でその影響力を強めつつある。
シリア情勢をめぐっては、両国とも体制に変化をもたらすような介入は避けるべきとの立場を明確にしている。特にロシアは今月に入り、シリアの港湾都市タルトスに空母艦隊を配備するなど、
欧米による介入をけん制する動きを見せている。ロシアによるアサド政権支持は、リビア型の介入を防ごうとするだけでなく、冷戦時代に築いた同国での地盤を守ろうとする動きにもとれる。
大統領選を控えるロシアのプーチン首相は、外交で成果を挙げ、西側に屈しない姿をアピールしたいようにも見える。
一方、イランの核開発問題では、欧米が主導する制裁で成否の鍵を握るのは中国だといえる。
中国はイラン問題について、米軍の目を東南アジアからそらすための「使える道具」として考えている節がある。
また、資源の中東依存度が今後さらに高まることを考えれば、望むと望まざるにかかわらず、中国は中東で政治的に深く関わらざるを得ないだろう。
つづき
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE81K1VE20120202