インサイダー取引:経産省元審議官を起訴
半導体大手「エルピーダメモリ」の増資などを巡るインサイダー取引事件で、
経済産業省元審議官・木村雅昭容疑者(53)(休職)が同社の株を購入する前に、
増資を含む再建計画の一環として、自ら銀行に同社への融資を依頼していたことがわかった。
こうした交渉の末、同社の再建計画の枠組みが正式決定。
木村容疑者はその報告を部下から受けた4日後に同社株を買い付けていたという。
同社は2009年6月30日、改正産業活力再生特別措置法の適用を受け、
日本政策投資銀行を引受先とする300億円の第三者割当増資を行うと発表した。
木村容疑者はこの増資を発表前に知り、同社株を購入したなどとして逮捕された。
捜査関係者らによると、木村容疑者は当時、同省商務情報政策局の担当審議官として、
同社の再建計画の立案に関与していた。計画の柱は、政投銀による増資の引き受けだったが、
増資だけでは再建できず、銀行などから1000億円規模の融資を受ける必要があった。
このため、木村容疑者が複数の大手銀行に対し、自ら融資を依頼したという。
読売新聞 2012年2月2日
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120201-OYT1T01319.htm