フィリピンで活況、偽造文書ビジネス 免許も学位も金次第
(CNN) もし、大学へ行くための時間ややる気や学費がなくても、フィリピンなら大丈
夫。10〜60米ドル(約770〜4600円)の資金があれば、約2時間で卒業証書が手
に入る。ただし、その卒業証書はにせものだが。
フィリピンの首都マニラにあるレクト駅の近くには偽造文書を扱う店舗が立ち並び、
おおっぴらに商売を行っている。ここでは、卒業証書から就職活動で使う推薦状、
操縦士免許や船員の資格証明書まで、あらゆる種類の書類が取引される。
売人の1人は「1日に5通の書類が売れたら商売は上々だ」と笑顔を見せる。売人
の横には、にせの卒業証書や免許証などが張り付けられた手製の看板がある。偽
造書類の値段は500ペソ(約900円)からだ。
この売人は「日曜日が稼ぎ時だ。翌日には学校や会社が始まるから」と説明。大学
の学期中にもにぎわうと述べ、この商売が大学のスケジュールと密接に結びつい
ていると語った。
マ ニラの大学生にとって、ここは何でもそろう百貨店のようなものだ。フィリピン工
科大学の元学生は「5人の同級生とここを訪れ、学期末のリポートを買ったこ とが
ある。スペインの植民地時代の革命運動について30ページのリポートが必要だっ
たが。他の期末試験の勉強で忙しくて、リポートを書いている時間がな かった」と語
った。この学生は、求める書式で書かれた30ページのリポートを購入できた。参考
文献の一覧も付いていたという。
国内の卒業 証書や免許証が売れ筋だとして、外国の書類はどうなのだろうか。あ
るいは、永住ビザや、ホログラム付きのものなどは。先ほどの売人は隣の同業者と
タガログ 語で短い会話を交わした後、「本物が手に入れば、どんなものでも偽造
できる。あとは、金額次第だ」と力強く答えた。
http://www.cnn.co.jp/business/30005444.html