米銀大手の報酬削減や人員整理が止まらない。資産規模で米2位の銀行、バンク・オブ・アメリカ(BOA)は投資銀行部門の従業員に対し、前年の水準を平均で25%下回る報酬パッケージを覚悟するよう伝えた。
関係者2人が明らかにした。また、米銀3位シティグループのガースパッチ最高財務責任者(CFO)は24日の会見で、証券部門について2012年に収入が回復しなければ、さらなる事業再編を実施することを明らかにした。
BOAの報酬削減について、協議は非公開だとして匿名を条件に語った関係者によると、賃金に関する協議が今週始まるのに先立ち、経営幹部がガイドラインを示した。報酬カットの対象には給料とボーナスが含まれるという。
BOAはまた、昨年の同行株の58%下落を受け、投資銀行事業を手掛けるグローバル・バンキング・アンド・マーケッツ部門の経費削減を計画している。
一方シティは、証券部門への昨年の約10億ドル(約780億円)の投資で収入が押し上げられなかったため、同部門での一段の支出削減を行う可能性が高まっている。
同行の先週の発表によると、同部門の利益は昨年、24%減の49億ドルにとどまった。欧州の債務危機で世界市場が混乱したことが影響した。
証券部門の収入は09年以降、21%減少する一方、報酬や営業コストは15%上昇した。ガースパッチCFOは、収入がコストを上回るペースで伸びる際に生じる「営業レバレッジ」を改善する必要があると指摘した。
同CFOは「収入の伸びと営業レバレッジの向上、あるいは事業再編やキャパシティーの縮小、経費圧縮が必要だ」と語った。(ブルームバーグ Esteban Duarte、Bradley Keoun)
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