福島県農協中央会は26日、福島市で理事会を開き、福島第1原発事故で2011年産米から
国の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を超す放射性セシウムが検出された地
域は今年の作付けを原則的に行わないことを決めた。100ベクレル超500ベクレル以下の
地域は水田の除染を行うことを条件に作付けを進める。
中央会によると、500ベクレルを超えた地域は1950年当時の市町村単位で作付けを制限
する。500ベクレル超の地域が大字、字など狭い範囲で明確に区分できる場合はその単位で
制限する方向で国などに求める。
100ベクレル超500ベクレル以下の地域は、コメの基準値が今年産から100ベクレルに
厳格化されることを受け、除染を条件に作付けを進める。100ベクレルを超過するリスクが
小さいと判断できる地域が対象で、地形的要因などでリスクが大きい地域は一定地域単位で作
付け制限する。
避難区域など昨年は作付けしなかった地域は今年も作付けを見合わせる。
今年のコメ戦略としては放射性物質が検出されないコメ作りに取り組む。集荷時に全袋検査を
実施。検出米が出たら分別保管し、非食用や政府備蓄米に回す道を探る。国と東京電力に対し、
除染費用や売れ残ったコメの買い上げ費用の確保、作付け制限水田の維持管理の対応を求める。
理事会は県内の17地域農協の組合長が出席し、非公開で行われた。中央会の庄条徳一会長が
会議後に記者会見し、「生産者の営農意欲の維持と消費者の信頼回復に配慮して判断した」と
述べた。
農林水産省は昨年12月、基準値の厳格化に伴い、100ベクレルを超えた地域は作付け制限
を検討する必要があるとの考えを示し、現在、県、市町村と協議している。
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120127t61007.htm