NATO=北大西洋条約機構のラスムセン事務総長は、核開発を進めるイランが欧米の制裁に対抗して原油の主な輸送路となっているホルムズ海峡の封鎖も辞さないと示唆していることに懸念を示し、イランに対し航行の自由を保障するよう求めました。
イランは、アメリカが制裁を強化したのに続いて、EU=ヨーロッパ連合が23日、イラン産の原油の禁輸措置を決めたことに強く反発し、
世界の原油の主な輸送路となっているホルムズ海峡の封鎖も辞さないと示唆しています。これについて、NATOのラスムセン事務総長は、
26日、ブリュッセルにあるNATO本部で行われた記者会見で、「イラン側の発言に懸念を深めている」と述べました。そのうえで、
「イラン指導部に対し、国連の決議に従って核兵器開発につながるウランの濃縮を直ちに停止するとともに、ホルムズ海峡における航行の自由を保障するよう求める」と述べ、イランをけん制しました。
一方、ヨーロッパ経済の悪化を反映して、各国で国防費が削減されるなど安全保障にも影響が出ていることについて、
ラスムセン事務総長は、5月にアメリカ・シカゴで開かれるNATOの首脳会議では、いかに効率的に安全保障を確保するかが焦点になるという考えを示しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120127/k10015569351000.html