1億年前の地殻変動によって生まれた地層の模様「さや褶曲(しゅうきょく)」を観察
できる岩石が、南あわじ市沼島の沼島汽船待合所に設置された。模様が鮮明なものは
世界的に珍しく、国内では数カ所しか確認されていないという。沼島でも北端にしかなく、
船で行かなければ見られなかったが、昨年9月、島内の民家の庭石に「さや褶曲」を確認。
持ち主が「沼島の観光に生かして」と寄贈した。(南あわじ支局・長尾亮太)
褶曲とは、地殻内部のひずみによって、平らだった地層がしわを寄せたように曲がる
現象。模様が、刀のさやを輪切りにしたような円を描き、同心円状に広がっているのが
「さや褶曲」と呼ばれる。
沼島汽船に置かれた岩石は幅47センチ、縦35センチ、高さ27センチで、重さ42キロ。
表面には同心円状に広がる模様がくっきりと現れている。沼島の元大工、山野清さん
(66)の家に代々伝わり、最近まで庭石として使われていた。沼島の地質に詳しい
大阪府立大学の前川寛和教授(岩石学)が鑑定し、さや褶曲と認めた。
市が昨年12月から公開。アクリル板で囲み、1カ所に直径14センチの穴を開けて
触れるようにした。沼島汽船によると、観光客の注目を集め、列をつくって触る光景が
見られるという。
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