【コロンビア(サウスカロライナ州)=佐々木類】保守的な土地柄の南部サウスカロライナ州の有権者が21日の共和党予備選で選んだのは、経験と知名度の高さを売りにする保守派の論客
ギングリッチ氏だった。勝者が猫の目のように入れ替わる共和党の内部で何が起きているのか。予備選などを通じて浮かび上がってきたのは、政策をめぐる路線対立と党の質的変化だ。
米CNNテレビの出口調査によると、最重要政策について景気回復と答えた人が61%、次いで財政再建(23%)などが続く。景気回復の重要性は有権者も候補者も認識しているが、政策
の優先順位が必ずしも候補者選びに結びついていないのが今選挙戦の特徴だ。
その底流には、日増しに険悪化する共和党内の複雑な路線対立がある。一連の討論会や予備選などで明らかになってきたのは、(1)景気重視派(2)財政再建派(3)社会問題派(4)安全
保障重視派−の4つの路線が存在し、それぞれが糸のように絡み合っている現状といえる。
景気重視派の番頭格はロムニー氏だ。経営者の実務経験をアピールし、法人税率の引き下げや年収20万ドル(約1540万円)以下の国民の利子・配当税の廃止を主張。景気拡大と雇用
創出を掲げ、高い失業率にあえぐオバマ大統領に「勝てる候補」を前面に押し出す戦略を立てている。
これに異を唱えるのが財政再建派のポール氏。政府機関の極端な縮小や廃止が先だというリバタリアン(自由至上主義者)だ。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120122/amr12012220520004-n1.htm