一部油の流出確認、12人目の遺体発見 イタリア客船座礁事故
イタリア西岸のトスカーナ州沖合のジリオ島近くで13日発生した大型客船「コスタ・コンコルディア」の座礁事故で、
捜索当局は21日、海面下にある船内で救命胴衣を着用した女性の遺体を新たに発見したと発表した。
遺体が見付かったのはこれで12人目。少なくとも20人が依然、行方不明となっている。
同船には乗客約3200人、乗員1000人が乗船していた。
事故に伴う燃料油などによる海洋汚染への懸念も強まっており、
事故対策当局は食用油やエンジンオイルの流出が確認されたと報告した。
ただ、積んでいた2400トンの燃料油が漏えいする差し迫った危機にはないとも指摘した。
同船の周辺には、燃料油だけでなく、洗剤や下水道に使われる薬剤などの汚染物の流出を防止するフェンスが張られた。
燃料油を回収する作業計画も承認され、専門家の最終承認を待ち、実行する方針。
傾斜する船体のバランス維持を考慮し、油を抜き取り、代わりに水を注入する計画となっている。
国際環境保護団体などは、油の汚染が深刻化すれば事故海域周辺にある海洋保護区の生態系に甚大な悪影響が出ると警告している。
船体処理などに要する期間の見通しは示されていない。
気候条件や技術的問題などが絡み予測出来ないという。
生存者の捜索は続行しているが、特殊カメラや潜水士を使った作業のため1船室当たり約45分かかる長期戦を強いられている。
船内には1500の船室がある。生存者の発見を絶望視する見方も強まっている。
http://www.cnn.co.jp/images/cnn/2012/01/21/10/58/29/ship-hole-c1-main.jpg http://www.cnn.co.jp/world/30005358.html