福山市の羽田皓市長は20日、累積赤字が約20億円に上る福山競馬を2012年度も継続すると発表した。
11年度の実質単年度収支が黒字の見通しとなり、売り上げの減少が見込まれる12年度も経費の圧縮などで黒字を確保できると判断した。
11年度は昨年4〜9月の上半期で62億203万円を売り上げ、6537万円の黒字を計上。
昨年12月末まで9カ月間の売り上げも1日平均8327万円となり、当初予算で見込んだ8234万円を約1・1%上回った。
東日本大震災の影響で東北、関東地方の競馬場でレースの中止が相次ぎ、インターネット販売が大幅に増えたのが増収の要因となった。
こうした状況は徐々に解消されており、12年度は逆に減収が見込まれる。大型ビジョンなどの老朽化した施設の対策も課題。
市は、実質単年度収支の赤字が濃厚になれば、年度途中でも廃止を検討する可能性がある。
市営競馬検討委員会は10年9月「速やかな廃止」を前提に、実質単年度収支の黒字を確保できる場合に限って事業継続を認めるよう答申。
羽田市長は昨年1月「答申を最大限尊重する」として11年度は条件付き継続を打ち出していた。
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