[顔]北村 麻子さん
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20120120-OYT8T00467.htm 女性で初めて大型の青森ねぶたを制作する 北村麻子さん(29)
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20120120-578317-1-L.jpg 毎年、300万人が訪れる青森市の青森ねぶた祭。
見物客を圧倒するのが、凱旋する武者らをかたどった大ぶりの人形だ。
祭りが現代のスタイルになった昭和30年代以降、女性が手がけた例はない。
「男の世界」と思って眺めてきた。その大きな仕事が飛び込んできた。
父の隆さん(63)は、「平成の名人」と称されるねぶた師の第一人者。
物心ついた頃から紙貼りを手伝い、高校を卒業して就職してからも作業場に通ってはいた。
ねぶた師への憧れが募ったのは5年前。
隆さんが珍しく会心の笑みを浮かべたねぶたに灯がともった時、その出来栄えに衝撃を受けた。
作業場に通い詰め、弟子入りを願い出た。隆さんは娘の描いた下絵を見て「こいつは伸びる」と直感。
日増しに力をつける娘に、今夏のねぶたの一つを任せると告げた。昨年11月に制作を始めるのに合わせ、勤め先もやめた。
「怖くないと言ったらうそになるけど、火中に飛び込んで学ぶ方法もある。本来の力強いねぶたを作る」。
度胸は父譲り。ほかに負けないねぶたを送り出したいと、制作に打ち込む。(青森支局 神秀穂)
(2012年1月20日 読売新聞)