“校庭から宇宙へ”川崎に最新鋭プラネタリウム
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/images/2012011899093748.jpg 最新鋭のプラネタリウム「メガスター・スリー・フュージョン」が、神奈川県川崎市多摩区生田緑地に四月二十八日オープンする「かわさき
宙(そら)と緑の科学館」(市青少年科学館)に設置される。
通常のプラネタリウムより桁違いに多い星を再現し、星空の自然な情景への溶け込みと、星の輝きを両立したという。市が十七日発表した。
開発したプラネタリウムクリエーターの大平貴之・大平技研社長(41)=同区在住=は「世界で初めて、星の輝きが美しい光学式プラネタリウムと、
あらゆる映像、空間表現のできるデジタルプラネタリウムの技術を融合させた」と話している。(山本哲正)
最新式メガスターは幅〇・九メートル、高さ一・二メートル、重さ二百キロで、ドーム直径十八メートルに宇宙を再現する。
大平さんのメガスターシリーズでは、通常のプラネタリウムで数千〜数万個の星を再現していたところに、光学式で最大二千二百万個の星を用意し、
天の川を星の集まりで表現することなどに力を入れてきた。
その奥行きある映像を、観客がそれぞれの記憶にある星空に重ねてか涙を流す姿を見て、「気象条件、見る場所で異なる星空を、ありのまま、
リアルに描きたい」と目指し、開発に三、四年かけた。
光学式で星を、デジタルでそれ以外のデータを表現する方式は例があるが、星そのものも光学式とデジタルの両技術で映す新しいスタイル。
光学式だけでも約一千万個の星を用意しつつ、市内小中学校の校庭のパノラマ映像や、米国自然史博物館など監修の宇宙データベース
「デジタル・ユニバース」なども組み合わせ、まるで校庭を飛び立って宇宙を旅するかのような気分を味わえる。
科学館では児童生徒や市民によるプラネタリウム番組制作も企画していく。
大平さんは高津区出身で、この科学館でプラネタリウムに親しんだ一人。「科学館は私の原点。
(プラネタリウムを見る)子どもたちには、大人にはない視点で、感じたことを聞かせてほしい」と話している。
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