復興進まぬハイチ、まだテント生活も=大地震から2年
【ポルトープランス(ハイチ)12日ロイター時事】
30万人の死者を出したハイチ大地震が発生してから12日で2年がたち、同国各地の教会では犠牲者の追悼ミサが行われた。
マーテリー大統領は荒廃したハイチの復興を改めて約束したが、その足取りは依然鈍い。
2010年1月12日に発生したマグニチュード7.0の地震での揺れは10?20秒続いただけだったが、
約30万人が死亡したほか、多くの人が負傷し、150万人以上が住む家を失った。
人気歌手から大統領に選出されたマーテリー氏は、
国民の生活を立て直し、テントでの避難生活に象徴される復興のひどい遅れを改善するため、
これまでの倍の努力をすると強調した。首都のポルトープランスではまだ50万人以上が
不潔なテント生活を余儀なくされている。
「スイート・ミッキー」の名前で知られる大統領は「今年は再建を本当に具体的に始める年だが、
同時にハイチ国民の希望と未来も立て直さなければならない」と述べた。
大統領によると、カナダ政府はまだ倒壊したままの大統領府からわずか数ブロックしか離れていないところにいる
テント生活者のうち約2万人を移す計画を、2000万ドル拠出して支援してくれることになった。
国際的な義援金や支援の約束が数十億ドルに上っているにもかかわらず、
多くのハイチ国民は再建の具体的な成果があまり見えないと不満を漏らす。
ポルトープランスとその周辺地域では、倒壊した建物のコンクリート片や鉄骨、
その他のがれきで除去されたのはわずか半分強でしかない。ハイチ国民はまた、
地震から2年たっても住宅も仕事もないことに不満を募らせている。
政府当局者は、現在同国北西部の沿岸地帯に2億5700万ドルで建設中の工業団地や農業増産計画など、
地震後のプロジェクトは復興がいくらかでも進んでいることの証拠だと述べた。
ただ、一部の国民は、米州で最も貧しいこの国の再建が遅々として進展していないと受け止めており、
こうした当局者の言葉もむなしく響くばかりだ。[時事通信社]
http://www.jiji.com/jc/rt?k=2012011300331r