虐待防止:親の更生支援 日光のNPOが県内初の導入、関係修復し根本解決へ /栃木
◇「感情コントロール」など学ぶ
子どもの虐待防止に向け、虐待する親のケアに目を向けた取り組み「ペアレンツ・プログラム」の県内初の導入を、
日光市の子育て支援のNPO「だいじょうぶ」の畠山由美理事長(50)が準備している。
親と子を引き離すのではなく、親子関係を修復し、根本的に解決するのが狙いで、来年度の導入を目指している。【浅見茂晴】
プログラムは、同じ悩みを抱える5〜10人の親が支え合いながら語り合う計13回のカリキュラムで構成。
自尊心を取り戻すセルフケアと「感情のコントロール」「体罰の問題性」などを学んでゆく。
前後に面接があり、3、6カ月後のフォローアップも用意している。
もともと兵庫県西宮市の「エンパワメント・センター」主宰、森田ゆりさんが開発した
「MY TREEペアレンツ・プログラム」に基づき、親の立ち直りを支援する。
畠山さんが「だいじょうぶ」を設立したのは05年。虐待などの相談のほか、家庭の事情で支援が必要な
子どもたちにデイサービスを提供する「ひだまり」もオープンさせた。同時に10代後半の少年少女6人の里親でもある。
プログラムについては、夫の憲夫さん(56)とともに県内では唯一、ファシリテーター(実施者)と呼ばれる専門スタッフの講習を修了している。
通常、虐待が認められた場合、児童相談所が母子を分離し、児相と親が対立関係に陥るケースが多い。
ファシリテーターはサポート役として、家族の中での回復を目指す。
新しいプログラムは県との調整を待って、児童相談所とタイアップしてスタートさせる予定。
日光市も虐待防止に向けた家庭の支援策として重要な取り組みだと期待する。
県のまとめでは、昨年度の児童相談所(児相)と市町に寄せられた子どもの虐待相談は計1508件。
5年前に比べ約1・5倍に増えている。児相が対応した810件のうち、実の母親からの虐待が547件と最多で67%を占めた。
http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20120112ddlk09100122000c.html