「ロボットは東大に入れるか」
http://news.nicovideo.jp/photo2/117519p.jpg 人型ロボットが他の学生と同じように大学を受験し、合格することはできるのか――。答えはすでに出ている。
「不可能」だ。なぜなら「試験会場では電子機器の電源を切らなければならない」(国立情報学研究所・新井紀
子教授)からだ。だが、人工知能の研究の観点から見れば、ロボットが東京大学の入試問題を解くことに大きな
意義があると新井教授はいう。そんな新たな試みとなるプロジェクトが2011年12月14日、始動した。
それ自体は役に立たなくとも、達成を目指すことで大きな技術進歩が見込まれる試みを「グランドチャレンジ」
というが、ロボットが東大合格を目指すプロジェクト「ロボットは東大に入れるか」は、人工知能の研究者たち
とってまさにグランドチャレンジである。
人工知能の分野ではこれまで、チェス、将棋、サッカー、そしてクイズにおいて同様のグランドチャレンジを
しており、たとえばクイズではIBMの人工知能「ワトソン」が今年、アメリカのクイズ番組で歴代チャンピオン
2人を破るなど、大きな成果をあげている。この日「人工頭脳プロジェクト」のシンポジウムで基調講演を行っ
た公立はこだて未来大学の松原仁教授によると、東大は「日本の知性の象徴」であり、この入試問題にロボット
が答えることは「クイズに答えることより難しい」。一方では、「京大の入試問題ほどイジワルではない」こと
から、チャレンジに適した題材であるという。
また、新井教授はこのプロジェクトについて、「知的な18歳と比較することのできる」人工知能を作ることと
ほぼ同義であるとし、このことは結果的に「"優秀さ"をプログラムすることは可能か?」という問題の答えを出
すことにつながると語った。同プロジェクトは2016年までにセンター試験で高得点をマークすることを、2021
年には東大入試を突破することを目標として研究を進める。
◇関連サイト
・ロボットは東大に入れるか - 国立情報学研究所
http://21robot.org/ http://news.nicovideo.jp/watch/nw162969