警察の掌紋照会システムに取り違え 一部指紋用と
警察庁は27日、全国の警察で使っている掌紋照会システムで、事件現場に残された掌紋の特徴を数値データ化するプログラムの一部に、
指紋用のプログラムを取り違えるミスがあったと発表した。システムを納入したNECが誤って搭載したという。
同庁は「ミスの影響があるとすれば犯人の絞り込み作業の遅れ。最終的には目視で照合するので犯人の誤認はありえない」としている。
警察は、事件の容疑者が押なつした掌紋の特徴を数値データ化して画像データと共に蓄積している。
照会システムは、数値データ同士を比較して過去に押なつされた掌紋約467万件を事件現場に遺留された掌紋との類似度で順位付け。
順位が一定以上の掌紋だけリストアップし、最終的には目視での照合作業を行う。
警察庁によると、2007年1月のシステム更新時にNECがプログラムを取り違えたが、
今年5月の警察内部の研修中に職員が偶然気付くまで発覚しなかった。その間に約10万2千件の遺留掌紋データが登録された。
警察庁は問題発覚後、本来のプログラムで改めて照会作業を実施。
殺人と強盗殺人に関する約1000件は優先的に作業を進め、目視による照合まで終えたが、新たな容疑者に結びつく掌紋は見つからなかった。
NECは「調達仕様上の性能は満たしていたが、一部に取り違えたプログラムを搭載し、ご迷惑をかけたことを深くおわびする。再発防止に努めたい」としている。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E0E5E2E2938DE0E5E3E2E0E2E3E39180E2E2E2E2;av=ALL