震災でエスカレーターが落下
(抜粋)
エスカレーターが落下する事故があったのは、宮城県仙台市と福島県にある大手スーパー「イオン」の3つの店舗です。このうち仙台市の店舗では、
2階の売り場と屋上の駐車場とをつなぐ重さ8トンほどのエスカレーター2基がおよそ6メートル落下し、それぞれ下の階のエスカレーターを
押し潰すように折り重なりました。地震が起きたのは利用客が少ない平日の午後だったため、けが人はいなかったということです。
エスカレーターは、両方の端に「アングル」と呼ばれるL字型の金属製の板があり、それぞれを各フロアの床下にある鉄骨にかけて設置しています。
メーカーで作る業界団体などでは、地震でエスカレーターが落下するのを防ぐため、アングルのうち、鉄骨にかかる「かかり代(しろ)」と呼ばれる
部分の長さを一定以上にするよう、指針で基準を定めていますが、今回の地震では、この基準を超えて建物が水平方向に揺れたため、かかり代が
鉄骨から外れ、落下した可能性があるということです。
このため、イオンでは、かかり代が鉄骨から外れても直ちに落下しないよう、エスカレーター本体と鉄骨とを頑丈なワイヤーで結ぶなどの補修工事を
行うことを決め、首都直下地震や東海地震、それに東南海・南海地震などで強い揺れが予想される地域にあるおよそ2000台について、優先的に
工事を進めることにしています。今回の対策についてイオンでは、「落下事故が起きた以上、お客様の安全を考えて、二度と同じことが起きないように、
独自の対策に踏み切ることにした」と話しています。
今回の落下事故について、国土交通省は、東日本大震災の被災地を中心に、ほかにも同じような事故が起きていないか確認を進めるとともに、
現在の基準に問題がないかどうかも含め、エスカレーターの落下防止対策の在り方について検討を始めたいとしています。
全文
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111026/k10013527701000.html http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111026/K10035277011_1110261943_1110261944_01.jpg 依頼35