欧州の金融危機拡大の阻止に向け、
欧州連合(EU)の財務相理事会が二十二日、ブリュッセルで開かれた。
域内の主要銀行に対し、財務の健全性の目安となる「中核的自己資本比率」が
9%以上になるよう、六カ月以内にも資本増強を実施するよう求めることで基本合意した。
増強に必要な資金は一千億ユーロ(十兆六千億円)に上るとみられる。
財務相理事会では、
まず銀行が自力で資金を集め、調達額が不十分な場合に国が公的資金を注入。
それでも不足する場合に
「最後の手段」として、欧州金融安定化基金(EFSF)の融資を受ける
−との資本増強の手順も確認する見込み。
財務相理事会での合意を受け、二十三日のEU首脳会議で資本増強策を正式決定する。
EFSFの再拡充やギリシャの債務削減策については、二十六日に結論を持ち越す見通しだ。
EU域内の主要行に達成が求められる9%の中核的自己資本比率は、
七月にユーロ圏首脳会議が合意した5%を大幅に上回る。
欧州銀行監督局(EBA)が七月に結果を発表した資産査定(ストレステスト)では、
普通株を主体とする中核的自己資本の比率について合格基準を5%と設定した。
しかし、この基準を達成した金融機関のうち
ベルギー、フランス大手のデクシアが破綻しあらためて資産状況を緊急調査。
各行が保有するギリシャなどの国債に関し市場価値に基づく損失を計上させ、
中核的自己資本比率を9%に引き上げるために必要な資本増強の規模を、
一千億ユーロ程度と算出したとみられる。
(東京新聞 2011/10/23)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2011102302000045.html