猫と飼い主の登録を義務付けへ 希少動物被害で奄美市
鹿児島県奄美市議会はこのほど、
飼い主と飼育している猫の登録を義務付ける「飼い猫の適正な飼養管理に関する条例案」を全会一致で可決した。
奄美群島では、野生化した猫や犬がアマミノクロウサギなどの希少野生動物を襲う例が相次いでおり、被害対策の一環で制定した。
県内の市で初の「飼い猫条例」で10月1日に施行する。
条例は飼い主の責任明確化が目的。
飼い主は住所や氏名、猫の名前を市に登録し、首輪と鑑札の配布を受ける。
ただし、罰則はない。飼い猫の背中に埋め込んで個体を識別するマイクロチップの装着も努力目標としている。
環境省奄美野生生物保護センターでは6月末から、
奄美大島と徳之島で従来の飼い猫だけでなく飼い犬にもマイクロチップを装着する事業を始めており、
市は積極的な利用を呼び掛けている。奄美市の動物病院などで装着でき、通常5千円の費用が無料になる。
奄美大島の他の龍郷町や瀬戸内町、宇検村、大和村の4町村も飼い猫条例を制定しており、同じ10月1日に施行する。
奄美市の高崎義也環境対策課長は
「奄美大島の世界自然遺産登録に向けた環境整備の一つでもあり、市民も協力してほしい」と話している。
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