国土交通省が、自動車の燃費を測定する現行の方式を改め、4月以降に発売する新車から、新方式による表示を
メーカーに義務付けるという。この燃費測定の見直し、関係者の間では常識となっているが、一般のユーザーには案外知られていない。
今年に入ってから朝日の夕刊などで取り上げたこともあったが、メディアからの情報は限定的。そこで慌てて
“報道”したわけでもないだろうが、きょうの読売が「社説」のテーマに取り上げている。
社説では「ガソリン1リットル当たりの走行距離を示すのが自動車の燃費である」という書き出しで「各自動車
メーカーがカタログなどに表示している燃費は、実際に走った時よりはるかに良いのが公然の秘密だった」と指
摘。その燃費を測定するこれまでの方式を改め、「国土交通省が4月以降に発売する車から、新方式による表示
をメーカーに義務付ける」としている。
何故、改めるのか。「現在の方法は、国の試験場の測定器のローラーに車を載せ、一定の走行パターンでタイヤ
を回転させて測る仕組み」で、「エンジンが温まった状態から計測するため、燃費が高めに算出される傾向がある」からという。
さらに、社説は燃費ランキング1位のトヨタ自動車のハイブリッド車『プリウス』を例に取り上げて、現行の測
定方式では「1リットル当たり38キロ・メートル」としているが、新方式ではエンジンが冷えた状態から発進し
たり、加減速を繰り返す複雑な走行パターンを取り入れたりするため、「現行方式より1割強ほど数値が低くな
る見通し」で、プリウスの場合も燃費は「1リットル当たり32.6キロ・メートルに下がる」と解説している。
環境問題や原油価格の高騰が続く中で、消費者が車を購入する際に、燃費は重要な判断材料の一つとなる。社説
でも指摘しているように「現実に合わせて見直すのは当然」だが、4月以降、ユーザーは「現行燃費」と「新燃
費」という2つの基準を見極めながら車を購入することになりそうで、ややこしい。
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http://response.jp/article/2011/03/01/152493.html 依頼69