「異動イヤ」スーダン軍内部で銃撃戦 南部出身兵が抵抗
【ナイロビ=古谷祐伸】スーダンから分離・独立するのが確実な南部で、兵隊同士の銃撃戦があり、
4日までに20人が死亡した。北部への異動を命じられた南部出身兵が嫌がったのが、原因だという。
スーダンには、2005年まで続いた南北内戦の名残で、北部中央政府軍と、かつて反政府勢力だった
南部自治政府軍とがいる。今回の戦闘は北部軍内部で起きた。
AP通信などによると、南北境界に近い上ナイル州マラカルで3日夜から4日朝にかけて、迫撃砲弾も飛び交う
激しい銃撃戦が続いた。子ども2人や国連に勤める運転手も、巻き添えで死亡した。
北部兵らは、和平後に組織された南北合同部隊のメンバーとして、マラカルへ派遣されていた。
南部独立がほぼ確実な情勢を受けて、近く北部へ異動して、武装解除されることが決まった。
ところが、異動対象者の中に南部出身者がいた。数年前までマラカル周辺で活動してきた民兵組織から、
北部軍に編入された者たちだ。
事件の報告を受けた南部軍のアグエル報道官は「彼ら(南部出身の北部兵)は、南部独立後の北部では
自分の権利が脅かされると恐れて異動を嫌がり、異動の際に武器を持っていくかで口論が始まり、銃撃戦になった」
と説明している。
和平プロセスの仕上げとして実施された、南部独立をめぐる住民投票は、暫定集計の結果、98.8%が
独立に賛成した。最終結果は早ければ7日に確定する。和平プロセスに基づく暫定統治期間の終わる7月に、
新国家になる見通しだ。
表向き、南北関係は良好なものになりそうだが、市民権の定義や南北境界など、南北間の交渉がもつれて
解決していない問題が多い。南部出身者の間には、南部を迫害し続けた北部への不信感が根強く残っている。
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