年の瀬のハローワーク 履歴書100社、「雇い止め」余波いまも…厳しき職探し
職も住まいも失った人の年越しを支援するため都市部を中心に全国19カ所の
ハローワークで臨時に職探しの支援や生活相談が29、30日の両日開かれ、約6200人が相談に訪れた。
東京都は昨年のような「公設派遣村」は開設していないが、住まいも所持金もない求職者約110人に対し、宿泊場所を用意し、食事券を支給した。
首都圏では東京の飯田橋、品川、新宿、木場、府中のほか、横浜、川崎、大宮、千葉の9カ所でそれぞれ午前10時から午後5時まで臨時開庁した。
東京都などによると、都内5カ所には2日間で、計約1200人が来庁した。
都では住まいも所持金もない約110人を4日までカプセルホテルなどに案内。
5日までの食事代として、1日当たり千円分の食事券を支給した。費用約770万円は国の緊急雇用創出基金でまかなう。
昨年の公設派遣村では就職活動費などとして現金2万円が支給されたが、酒やたばこを買う人が続出。
現金を持ったまま宿泊施設に戻らなかった人も多く、支援のあり方に批判の声が上がった。
今年、食事券を支給した理由について都の幹部は、「年明けに労働相談をするまで住まいがない人に対する緊急の措置。
ホームレス対策ではない」と説明。昨年の教訓から、換金できない食事券にしたという。
都に提供されたカプセルホテルに29日から宿泊している男性(37)は「あと500円しかないが、1月4日にバイトに行く交通費なので使えない。
2日間、食事にもありつけなかった」と話す。10月に勤務先の居酒屋を解雇され、住まいもなく貯金も尽きた。
男性は「ハローワークが開いていて本当に助かった」とほっとした表情を見せた。