空港のテロ対策として、乗客の全身を透かして見る「ボディースキャナー」の導入を検討してきた国土交通省は、
航空会社が希望すれば、プライバシーの保護を条件に導入を認めることを決めました。
「ボディースキャナー」は、乗客の衣服の下を透かして見ることができる装置で、
現在、空港で使われている金属探知機では見つけられない化学薬品を使った爆発物も発見できるということです。
国土交通省は、ことし7月から成田空港で5種類のボディースキャナーで実証実験を行った結果、最も精度が高く、
「衣服が透けたように体が映し出されるタイプ」が効果的だと判断し、空港の保安検査への導入を認めることを決めました。
ただし、ボディースキャナーの導入は航空会社の判断だということです。
また、ボディースキャナーは、金属探知機で引っかかった乗客に対する2次検査として行われ、
従来の手で体を触って調べる「接触検査」か、ボディースキャナーかを乗客が選べるということです。
さらに、導入する場合は、プライバシーを保護するために画像の顔をぼかすことや、画像を見る検査担当者は乗客と同性とすること、
それに、検査後は画像を保存せず、すぐに廃棄することなどを決めました。
ボディースキャナーの導入について、成田空港に乗り入れている航空会社で作る協議会は
「プライバシーの問題のほか、高額な費用がかかるので負担も大きい。
今後、諸外国の動向を見ながら導入の可否を検討したい」とコメントしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20101211/k10015784901000.html