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あしたのジョーで街おこし 立てぇ、立つんだ、台東・山谷の商店街!
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立てぇ、立つんだ、商店街! 東京都台東区の商店街が、ボクシング漫画の名作「あしたのジョー」で街おこしに乗り出す。
山谷地区にある「いろは会商店街」では、主人公・矢吹丈らの横断幕やパネル、展示物がアーケード街を飾り、テレビアニメの主題歌を歌った尾藤イサオさんも駆けつける。 (丹治早智子)
台東区の北部、簡易宿泊所が集積する山谷地区は「あしたのジョー」の舞台だ。しばしば登場する「泪(なみだ)橋」は台東、荒川区境の明治通り・泪橋交差点がモデル。
漫画では橋の下を川が流れ、川岸に矢吹丈がボクシングの練習に打ち込む「丹下ジム」がある。現在は川が地下水路になり、橋はない。「泪橋」の名は、交差点などに残るだけだ。全長三百七十メートルの「いろは会商店街」は交差点のすぐ南にある。
台東区商店街連合会は以前から、不朽の名作「ジョー」を区の観光資源ととらえ、活性化に結び付けようと働き掛けを続けていた。そうした中、「ジョー」の実写版映画の来年二月公開が決定。機運が盛り上がった。
「いろは会商店街」では二十六〜二十八日の三日間、「あしたのジョーの ふるさと祭り」を初めて開催。
版元の講談社は、矢吹丈ら登場人物のイラストを、今回の企画に関しては無償で使用することを快諾。既に矢吹丈の大きな横断幕が商店街のアーケードに飾られている。
祭りでは「ジョー」の原画、ちばてつやさんのサイン、映画で使ったグローブやシューズ、映画セットの写真などを展示する予定。店頭には、商店街で矢吹丈が過ごしたと仮定したストーリーを漫画とともにパネル掲示し、「ジョーのふるさと」を演出する。
日雇い労働者の街として知られた山谷地区は、安い簡易宿泊所目当ての外国人旅行者が増えるなど変化が見える。警視庁浅草署・山谷地区交番は「日本堤交番」に改称するなど、矢吹丈のふるさと「山谷」の名は、地域から消えつつある。
「かつて私も、ジョーからパワーをもらった。変わりつつある『山谷』の姿を将来に伝え、地域おこしにつなげたい。ジョーと丹下段平の心を、二人のふるさとで感じてほしい」。祭りを企画した区商連の石山和幸会長(79)は、そう話す。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010111890135430.html