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ワシントン(CNN) 政府や企業関係者などから寄せられた内部告発文書を公開している
民間ウェブサイト「ウィキリークス」は22日、米軍主導のイラク軍事作戦に関する軍機密
文書約40万点を公表した。歴史上最大規模の軍機密情報の暴露と主張している。
事前に機密文書の提供を受けた米紙ニューヨーク・タイムズは、新文書では市民の死亡者数
が民間団体の集計より多く、イランによるイラク反政府武装勢力への支援、イラク軍や警察
による住民の虐待などで新たな実態が浮き彫りになったと伝えた。
公表された新文書は39万1832点。イラク戦争の民間人死者数を数えている非政府組織
「イラク・ボディー・カウント」は、市民1万5000人の死亡が今回の文書でさらに判明
したとし、総数は12万2000人に増えたと指摘。同じく文書の内容の事前提供を受けた
英紙ガーディアンは、イラク駐留米軍当局などはイラク兵士や警官が関与したとされる虐待、
拷問、レイプや殺人数百件を調査していなかったと伝え、虐待の事犯はほとんど無視して
いたともみられると付け加えた。
ニューヨーク・タイムズ紙はイランによるイラク内政介入に触れ、イラク武装勢力の構成員
がイラン国内で狙撃や爆弾の使用方法などの訓練を受けていたと報じた。イラン指導部の
親衛隊的な性格を持つ革命防衛隊配下の特殊作戦部隊「アルクッズ旅団」がイラクの武装
勢力に対しイラク政府高官らを殺害するよう促していたことも分かったと伝えた。
米国防総省は新文書の公表を強く非難する声明を発表。暴露された文書へのコメントはしない
としながらも、内容は事犯発生などを受けた初期段階でのおおまかな判断に満ちたもので
全体像をとらえてはいないとして、ニュース記事や書物、映像で既に公にされている情報で
あり、イラクに関して新たな側面を浮かび上がらせるものではないと述べた。
(続きます)
(続き)
同省のモレル報道官は、新文書で氏名が明らかにされたイラク人300人に危険が及ぶ恐れ
があり、イラク駐留米軍が該当者に接触して警護を試みていると述べた。同報道官はまた、
戦線での作戦、反撃の方法、技術や装備品の性能などが暴露され、米軍兵士が戦場にいる
よりも大きい危険にさらされる恐れがあると強調した。
ウィキリークスは今年7月、アフガニスタン軍事作戦に関係する米軍機密情報7万7000件を
同じく掲載したが、個人名の公開が該当人物への報復を招くなどの批判を受けていた。ウィキ
リークス創設者であるジュリアン・アサンジュ氏は今回の公表に当たり、CNNとの会見に応じ、
アフガン関連文書より掲載基準を厳しくしたと指摘した上で、米主導の多国籍軍やイラク軍に
よる「戦争犯罪の明白な証拠」が明るみになったとも主張した。一方、モレル報道官は国防総省
の分析チームがウィキリークス公表の文書を徹底調査したが、戦争犯罪につながる個所はなかっ
たと否定した。
アサンジュ氏はイラク軍事作戦に関する機密文書公開が米兵やイラク人を危険にさらすとの
国防総省の主張に触れ、アフガン関連文書の発表を受け危害を受けた人間は1人もいないと反論。
今回の新文書公表を受け、イラク軍の虐待や拷問などで死亡した拘束者に関連する訴訟40件が
今後起きる可能性があるとも述べた。
http://www.cnn.co.jp/images/cnn/2010/10/23/16/35/07/c1main.assange.cnn.jpg http://www.cnn.co.jp/world/30000649.html