歴史的な円高で海外から日本を訪れる観光客の出足が鈍るなか、約2週間で約60万円という豪勢なツアーを満喫している外国人たちがいる。
国籍は欧米などバラバラだが、共通するのは「鉄道ファン」。「京都に行っても神社仏閣は一切見ない」(参加者)と期間中はひたすら列車に乗るだけ。
マニアにしかわからない興奮の珍道中をのぞいてみると−。
日本の鉄道を満喫するこのツアーは米国の旅行会社が企画。米・英・スイスなどから男女計15人が申し込み、今月16日に成田空港に降り立った。
多くは仕事を退職したばかりの“団塊の世代”で、「鉄道ファン歴50年以上」というベテランぞろい。17日朝から“鉄分”高めのツアーをスタートさせた。
まずは千葉県内でJR成田線の青とクリーム色をした「横須賀色」旧型車両(113系)に乗車。移動中は車内を往復してくまなく見学、
停車駅では軽いフットワークで跨線橋を渡り、反対ホームから撮影。気合の入った動きは日本の鉄道ファンも顔負けだ。
続いて、観光牧場の成田ゆめ牧場(千葉県成田市)敷地内にある羅須地人鉄道協会・まきば線を訪問。
同牧場では、愛好家らが戦前や戦中に活躍した日本製の軽便鉄道を走らせている。
原子力関係の講師をしているという米アイダホ州のビル・フィニックスさん(64)は「すばらしい!」と感激。
「これを見るため日本へ来たようなものだ。小さい機関車が走るのは興味深い。昨日(16日)が誕生日で、最高のプレゼントになったよ」
とカメラのシャッターを押し続けた。
ビルさんは夫婦で参加したが、夫人は「まったく興味がない」と羊を見物に。趣味が合わない夫婦の行動は万国共通のようだ。
慣れた手つきで機関車を運転してみせたのは、米シアトル在住の実業家、トム・イリオンさん(68)。
「小さいけどよく動く機関車だ。できるものなら米国に持って帰りたい。若いころは自分で機関車を所有して森林鉄道を作ったり、
メキシコで運転したこともある。つい先日も…」と武勇伝が止まらない。
続き
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