三重県四日市市の県立総合医療センターは16日、入院患者2人が抗生物質に抵抗力を持つ
多剤耐性緑膿菌(りょくのうきん)に感染し、死亡したと発表した。高瀬幸次郎院長は「院内感染の可能性を否定できない」と話している。
病院によると、9月17日に三重県桑名市の病院から移ってきた肺炎の70代の男性入院患者の感染が同22日に判明。
患者はこの間、救命救急センターに入院していたが、隣の病室に入院していた70代の女性患者からも10月14日に同菌が検出された。
三重大医学部で検査した結果、2人から検出された菌が同じものである可能性が高いことが15日夜に分かった。
男性は4日に肺炎で死亡。女性も15日夜、敗血症による多臓器不全で死亡した。
院長は「感染が死亡の直接の原因ではないが、何らかの悪影響を与えたことは考えられる」と説明している。
また、この間に救命救急センターに入院し、担当の看護師が同じなど、間接的に男性患者と接触した可能性がある患者は15人いるといい、
そのうち1人がたんやせきなどの呼吸器症状があるため、感染を調べているという。
病院は16日に院長を本部長とする「院内感染防止対策本部」を設置。
18日には院内感染防止対策委員会を開き、今後の対策について話し合うという。
http://www.asahi.com/health/news/NGY201010160045.html