新型インフルの期限切れワクチン、国が214億円分廃棄
期限切れワクチン、国が214億円分廃棄 新型インフル
2010年10月13日8時57分
新型の豚インフルエンザの輸入ワクチンについて、厚生労働省は12日、ノバルティス社
(スイス)から購入した約214億円分(健康な成人換算で約1660万人分)のワクチンを
有効期限切れで廃棄したと発表した。
厚労省は昨年10月、新型インフルの流行に備えてノ社やグラクソ・スミスクライン社
(英、GSK)と計約9900万人分の輸入契約を結んだが、感染が下火になるなど
ワクチンの需要が低下。一部を解約したものの、使われずに余っていた。
ノ社から購入した分の医療機関への出荷は約2500人分にとどまった。
GSK社のワクチンの有効期限は1年半で、現在約5030万人分の在庫があり、2011年
6月まで順次、有効期限を迎えるという。国産ワクチンについても、医療機関で余っていた
239万人分(約37億円)を、卸など流通業者らが費用を負担して買い取った。すべて廃棄
されるという。
押谷仁・東北大教授(微生物学)は、「輸入した場合、接種できるようにするための承認
手続きをどうするか、議論が不十分で、実際に使えるのが2月と遅れた。その意味では
大きな対価を支払ってしまった。今後、新たなタイプのインフルエンザが発生・流行した時に
備えて、態勢を作る必要がある」と話している。(月舘彩子、熊井洋美)
http://www.asahi.com/national/update/1012/TKY201010120333.html